tsumetsuki

日が沈んで、東の空から夜の帳が攻め寄せて来る頃、未だ昼の名残が薄く残った西の空に細い月があった。
これを爪月と言う?
昔の話になるのだが、息子が2歳の頃、空に爪が落ちていると言った。見上げたら確かに切り爪の形をした月が西の空に沈みかけていた。それ以来、西の空に出る月を爪月と言う様になったのだ。
目を凝らして見ると、爪月の指先に当たる部分に、薄ぼんやりと球体が読み取れる。地球の反射光が月に反射して、宇宙を立体的に見せているのだ。

Next - 「千葉の風景」