with HWD 展

ギャラリーせいほう 東京都中央区銀座 8-10-7
2014年2月24日(月)〜 3月1日(土) 11 : 00 ~ 18 : 30 レセプション:初日17 : 00

with HWD 展に寄せて(同展カタログより)
身の回りにある様々な美術表現素材の中で、石は飛び切りハードな素材である。「女性は、石なんか彫らなくていい」という話しをよく耳にするが、その都度、石に携わる者の一人として、そんなアナクロニズム的見分に蒙昧さを感じながら、ひたすら聞き流している。
女子美の石場は大学の中で、とてもユニークな空間である。特筆すべき設備が整っているわけじゃないし、広くて清々しくなるような空間でもない。石を割ったり削ったりする最低限の施設に、10年来の卒業生が溜めていった石埃が降り積もって空間全体が灰色、とてもオシャレな空間とは言い難いが、何故か活気ある作業場である。
ここから多くの学生達が社会に巣立って行き、社会人として、またアーチストとして活躍をはじめているのだ。
石場という原始的な空間に身を置く学生達は、石を彫るか彫らないかは別にして、全員が内に秘めたエネルギーを持っている。多々の難題をモノともしないで突き進むパワーを持ち合わせているのだ。
彼女達の最大武器は、ラジカルな思考とエネルギー。正に石というハードな素材に対し、また社会というロジカルな集団的構造に対して、ラジカルに対応できる非合理性だと思っている。荒れ地を耕し、文化を創り出していくエネルギーは、ロジカルなものに迎合しない非合理性なのだ。

今年2014年3月、渡辺治美先生(ナベさん)が女子美術大学を定年退職される。すなわち立体アートの石場を創設された先生が、現場を去られるわけだ。
石場の卒業生の中で、作家として活躍を始めている者達と、創設者の渡辺先生と、非常勤講師として石場に関わってきた鈴木先生と私も参加して、「with HWD」展を開催することになった。
女子美の石場が動き始めた、記念の第1回展だと我々は思っている。
岡本敦生


「参加メンバーの出品作品」 のページ。
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