Bitburg in Germany

ビットブルグにて

2003年6月9日〜7月10日、「Bitburg 国際彫刻シンポジウム」が開催され、招聘されて行って来ました。
彫刻のシンポジウムに参加するのは3年振りで、しかもヨーロッパで開催されるシンポジウムに行くのは、1988年以来、何と15年振りの参加です。
若かりし頃の、新鮮なエネルギーと緊張した日々の連続とは打って変わって、多少の事じゃ動じない余裕を、自分の中に見付けて、我ながら月日の経過を感じたのでした。初めての町にいて、勿論日本人は私一人、片言のドイツ語と拙い英語で、これといった不安も無く、日々の楽しみの中で制作に没頭する事ができました。やっぱ歳なのかも知れない

Bitburgはルクセンブルクとフランス国境に近いアイフル地方の町で、国内で1〜2のシェアを誇るBitburger Beerのブルーウェリーがあって、町から車で10分程度の距離の所には、格安のチケットでヨーロッパ各都市を結ぶ国際空港もあるいう、賑やかな田舎町でした。その町に1ヶ月半のホテル住いで、シンポジウムのメンバーが町の中で飲み食いする限りは、アルコールを含めて全てタダという、この上ないフォイヤーアーベント(仕事の後)の環境の中、昼間の作品制作にも熱を入れざるをえないのでした。

大きな赤砂岩を使って、「UNIT」シリーズの作品を制作設置し、同時進行として、参加作家の小品展が開催され、亀プロジェクトの「Volume of lives - Germany」を展観して、9ヶ国30名のコラボレーターが期間中に決定したのです。fishing
かと言って、仕事ばかりしてた訳じゃないのです。
アイフル地方の河川管理の親分と飲む機会があって、日本とドイツの河川状況や魚の種類についての論議に花が咲いた揚げ句、フライフィッシング釣行に招待される事になったのです。ドイツ国内でフィッシングをするためには、難関のフィッシング・ライセンスを取得しなきゃならないのです・・・・。
以下、詳しくは「雑談」(chat)のページをご覧ください。

写真は、シュトゥットガルトの室内交響楽団のチェリストで、参加作家の彼女(ウルリケさん)が、彼のアトリエでソロコンサートをやった時の風景。彼女は日本公演から帰ったばかりだったらしい。「V.of L.-D」のコラボレーターだ。11月には香港公演があるらしい。 concert
右の写真は、ホテルでの夕食風景、何たってビールが美味いのだ。 diner
制作中の石(赤い砂岩)と私。私の作業風景が無いのは、私のカメラだからです。 atsuo and stone
市内の学校に行って、社会科の授業時間を借りて、作品のコンセプトとサダコの物語を話した。そして折り鶴のワークショップをやったのです。 at school
1.5m(L)の銅管の中に、大勢の人が作った折り鶴を入れて、5本の銅管を石の中に挿入した。 copper
設置した風景、まだ造成が終わっていない unit_1
設置場所の造成を開始。ここで時間切れ、しかたなく帰国した。UNITが一つのモノリスとして、アイフルの風景の中に立ち続けることになる。 unit_3
石に彫り込んだ文字は、「UNIT A.LB. 03 s*1.25 co」タイトルです。

400〜500m先に大きな変電施設があり、Bitburg からルクセンブルクに続くサイクリングロードの側で、今も立っています。
実は、最初からこの大きな変電施設の側で、縦横に走る高圧線の側に設置しようと思ったのです。
高圧線は銅でできていて中には電気が一杯詰まっているはずです。でもUNITの中の銅管には、電気じゃなくて多くの市民の平和への祈り(折り鶴)が入っているのです。
それが私の意図したコンセプトです。
unit_final

「Volume of Lives - Germany」についての詳細は
「亀プロジェクト」の「Volume of Lives」をご覧ください。

Copyright © Atsuo Okamoto